2012/6/25(火)「創発的破壊 イノベーションとパラダイムチェンジ」

2012年2月23日(木)

「ありがとうが生まれるサービス」

一橋大学イノベーション研究センター 米倉 誠一郎氏

【プロフィール】
1953年、東京生まれ。一橋大学社会学部および経済学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。ハーバード大学Ph.D(歴史学)。
97年より一橋大学イノベーション研究センター教授。企業経営の歴史的発展プロセス、特にイノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセスを専門とし、多くの経営者から熱い支持を受けている。
期間誌「一橋ビジネスレビュー」編集委員長、六本木ヒルズにおける日本元気塾塾長も務める。

「街に必要とされるお店」

「今、世の中で何が起こっているのか、イノベーションとは何なのか」ということを一緒に考えていきたいと思います。
「イノベーション」という言葉を聞くと、「技術革新」をイメージする人が多いかもしれない。でも、ここで指す「イノベーション」とは、「技術革新」のみを意味しているのではなくて、社会経済活動に新しい付加価値を生むこと全てがイノベーションと言えます。皆さんが思っているよりも広い概念なのです。

101年前、とあるオーストリアの学者が言いました。イノベーションとは、「現状の均衡を創造的に破壊し、新たな経済発展を導く」ことだと。それは製品・生産方法・市場・原料などの新しい組み合わせ。
深い知識をベースにして、世間一般の固定概念を打ち破ること。それがイノベーションです。

「金曜日の20時に出来ないことはやめる」

ここを考えないと、日本は国際競争に勝つことは出来ないでしょう。これまで、日本人はワークハードでした。先進諸国にとっては、ひとりひとりがどれくらいの経済価値を生み出しているかが重要なのに、失われた15年以降、日本は一人当たりの生産性を上げることに失敗しているのです。結局30年前に戻ってしまった日本の現状をしっかり認識しなければ、解決策も見つかりません。

一生懸命朝から晩まで働いて、生産性を向上させてきたかのように見えるにも関わらず、数値を見る限り、ここ15年で、一人当たりの生産力が向上していないのならば、我々の働き方や効率性、さらに社会経済構造の在り方などに根本的な問題がないかを考え直す時に来ているのではないでしょうか。

つまり、ワークハードではなく、ワークスマートへ。ワークスマートとは、賢く働いて、高い生産性を上げる。そして、欧米諸国のように、女性の社会進出をもっと促進し、男女ともに企業社会に参画すれば、育児や教育にも共同参画することになって、いかに短時間で効率的な働き方をするかを意識するようになるでしょう。

「街に必要とされるお店」

日本は小さくなったとはいえ、まだまだマーケットの開拓の余地はあります。日本国内のマーケットを丁寧に掘り起こすということ、これがとても重要です。
今の日本は少子高齢化などの問題に直面していますが、本当に時代にあったことをやっているのでしょうか。まだまだきっと掘り起こせば、いい商材、いいパッケージ、正しいマーケットは日本の中にあるのに。きちんとしたニーズを掘り起こしていない、適材適所で行われていない、そういう事象ってきっとたくさんあると思うのです。そこで、解決するために何が必要か。それにはやはりイノベーションが大切です。