2014/7/29(火) 「魚の伝道師」

2014年7月29日(火)

「魚の伝道師」

株式会社長太水産 代表取締役 山崎一馬氏

僕らは完全に漁船漁業で、天然ものを獲っています。ビジネスにおいて、養殖の魚は安定供給できるという面で需要がありますが、僕がおすすめしているのは天然ものです。養殖の魚と天然の魚の違いを知っている人は、多いようで少ないのではないでしょうか。天然の魚は自然なものを食べています。「体に悪いものを食べていないのが天然もの」と僕は差別化をしています。天然ものは、1週間~10日くらい日持ちさせることができます。なぜそれが可能かというと、やはり食べているものが違うからです。

 

僕がお客様だったら、お店の方にこのような魚に関するうんちくやストーリーを語ってほしいです。例えば、ただ「お造りです」といって出されるのと、「どこで誰がどうやって獲って、こういう切り方をして提供しています」といって自信を持って出されるのとでは、明らかに後者の方が嬉しいと思います。

 

漁師が100%の仕事をして、魚を100%の状態で魚屋に渡します。魚屋は100%の仕事をして、飲食店に渡します。そして飲食店が100%の仕事をしてはじめて、100点満点の魚がお客様の口に届きます。漁師がいい仕事をしても、魚屋や飲食店が少しでも手を抜いたり技術が伴わなかったりすると、満点の魚を味わってもらえません。でも僕は、お客様が100%で食べられるような届け方を、皆に伝えていきたいと思っています。

 

今の漁業は儲かりません。儲からないから跡継ぎがいないという悲しい現状があります。しかし、漁師にとって魚はロスさえしなければ儲かる食材だと思います。ロスをどうやってなくすか、捨ててしまう部分を商品に変えられないかという研究をしなければならないと思います。本来捨てていた部分も、お客さんに旨いと言ってもらえるような工夫をしてほしいなと思います。また、僕らにとっては当たり前のようなことでも、それを消費者に伝えて理解してもらいたいです。漁師の生活水準を上げるためには、秋竹さんのような色々な方の知恵をいただかなければならないと思います。僕らは魚を獲ることに関してはプロですが、売り方については素人です。皆様にも、何かいい知恵があったら是非ご意見を頂戴したいと思います。将来の日本の漁業が少しでも良い方向に向かえばと思います。